日焼け止めのサンゴに有害な成分表示は何?ハワイで販売禁止に?

日焼け止めのサンゴに有害な成分表示は何?ハワイで販売禁止に?

ハワイではサンゴへの被害を守るために、有害な成分の入った日焼け止めの販売を禁止する法案が通ったということで、2021年1月から施行される可能性が高くなってきました。

施行前でもサンゴに有害な日焼け止めは使いたくない!
ということで有害な成分表示や安全な原材料名を知っておきましょう。








日焼け止めはサンゴにどれくらい有害なの?

日焼け止めのサンゴに有害な成分表示は何?ハワイで販売禁止に?

 

ハワイでは、今まで何もしていなかった訳ではなく、できるだけ有害物質を含んだ日焼け止めは使わないように、と呼びかけは行われていました。

しかしそれはあくまでも注意喚起であり、販売されている棚には普通に日焼け止め商品が並んでいましたので、この法案が施行されれば法的にNGということでサンゴを守る大きな前進になりそうです。

しかし、日焼け止めは一体どれくらいサンゴに悪影響なのでしょうか。

本当にみんなが有害な物質を含む日焼け止めを使わなくなったらサンゴを守れるのでしょうか。

有害だといわれる代表的な物質は「オキシベンゾン」です。

オキシベンゾンの紫外線遮へい効果により人は日焼けを防げるのですが、サンゴのDNAを傷つけてしまうといいます。

サンゴがまだ小さいうちにオキシベンゾンの影響にさらされると奇形となってしまう可能性があります。

結果的に育たなくなったサンゴは白化して死んでしまうのですね。

そしてこのオキシベンゾンは、少量であってもかなりの有害性を出すということで、オリンピックの競技用のプール6個半に対し1滴のオキシベンゾンを入れただけでサンゴに有害が出る、ということが研究結果でも判明しています。

日焼け止めクリームには様々な成分が入っているので、そのうちのオキシベンゾン量はごくわずかかと思いますが、それでもハワイの海に流れ込む日焼け止めは、年間で1万4千トンにも達するそうです。

これだけの量が海に放出されていたら、無関係とはさすがに言えないですね。

 

日焼け止めのサンゴに有害な成分は?英語の成分表示と安全な成分

日焼け止めのサンゴに有害な成分表示は何?ハワイで販売禁止に?

ハワイ州で法案が可決されたという販売禁止の日焼け止めは、オキシベンゾンとオクチノキサートを含んだ処方せんを必要としない製品です。

この聞きなれない2種の成分は化学物質で、3500種類以上もの日焼け止め製品に含まれているのだとか。

日焼け止めの成分表はカタカナばかりで、正直なところまったくよく分かりませんが、一つ二つでも良くない成分が入っていないかだけでも見ていきましょう。

紫外線吸収剤 英語名
オキシベンゾン Oxybenzone
オクチノキサート Octinoxate

オキシベンゾンは、日本でも肌に良くないとも言われていて、使用していない製品も多くあります。

しかし調べてみるとオキシベンゾンには種類もあり、中には表記が違うものもあるので隠れて入っている可能性もあります。

●オキシベンゾンの医薬部外品の表示名
・ジヒドロキシベンゾフェノン
・ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸
・ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム
・ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン
・ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム 

など。ややこしいですが「オキシベンゾン1」や「オキシベンゾン4」などに分類された際の表示名です。

●オクチノキサートの別名
・メトキシケイ皮酸オクチル
・エチルヘキシルメトキシシンナマート

こちらも別に呼ばれている名称があるようです。科学的には完全に一致するわけではないのかもしれませんが、同じ名前が成分として入っていたら気をつけておきたいです。

 

日焼け止めのサンゴに有害な成分は日本でも危険?

日焼け止めのサンゴに有害な成分表示は何?ハワイで販売禁止に?

もう本州近海でサンゴ礁はありませんが、沖縄にはまだまだ守るべきサンゴ礁があります。

沖縄の海を守るために、自主的な活動ではありますが一部のダイバーが日焼け止めに警鐘を鳴らし、その名も「サンゴに優しい日焼け止め」として100%天然成分の日焼け止めを商品化しています。

サンゴに優しければ、もちろん人の肌にも優しいですから、子供にも安心して使うことができますね。
成分は6種類のみ。市販の強力な日焼け止めに比べてこまめに塗り直す必要もありますが、これだけで日焼け止めができることに驚きです。

【サンゴに優しい日焼け止め】の成分
酸化亜鉛
蜜蝋(みつろう)
サンフラワーシード油(ひまわり種子油)
サンフラワー油
ホホバ油(JOJOBA種子油)
ビタミンE(トコフェロール)





日焼け止めはサンゴに有害な成分はハワイに持ち込みできる?

ハワイには年間800万人もの観光客が訪れています。

今回該当の成分が入った日焼け止め製品は、「ハワイ州の中で販売禁止」という法案が2021年に施行されそうだということで、「使用禁止、ハワイに持ち込み禁止」ではありません

ですので極端に言ってしまえば、どうしても使いたい日焼け止めが手元にあってハワイ旅行に持って行きたい場合、サンゴへの有害物質が入っている日焼け止めを2021年以降でも持って行くことは可能です。

しかし、できればそんなサンゴをはじめとして海を汚すような日焼け止めを、わざわざ自分の体に塗るのは避けたいですね。

成分表示をチェックしないでパッケージの見た目やSPFの数値、金額だけで選んでいると、意図せずに海を汚す一人になっているのかもしれません。

今まで使っていた日焼け止めも、今後購入するときは成分を確認してみましょう。

 

日焼け止めなどの液体を飛行機に持ち込むには

スーツケースに入れてチェックインカウンターから預けてしまえば量や大きさに特に規制はありません。

しかしスーツケースに入っていると、現地のホテルに着いてしか開けられないので飛行機を降りて外に出た時には日焼け止めをすぐに使えるようにしておきたいですね。

機内に持ち込める液体物は、
●100ml以下の容器に入れること
●さらにその容器をジッパーなどの開け閉めができるビニール製の袋に入れておくこと
(ビニール製の袋は縦横の合計サイズが40cm以内)

と規定があります。日焼け止めもクリーム状の物は液体扱いですから、手荷物として機内に持ち込むときは同じくこのルールが適用されますから気をつけてください。

300mlの容器に100mlだけ入っていても、容器の大きさで判別されるので不可です。

日焼け止めを中身だけ移し替えるのが面倒でしたら、100ml以内の小さいサイズの日焼け止めを購入しておきましょう。

 

日焼け止めのサンゴに有害な成分表示は何?ハワイで使用禁止に?のまとめ

日焼け止めのサンゴに有害な成分表示は何?ハワイで販売禁止に?

日焼け止めを塗らないと日光が肌に直射して、皮膚がんになる恐れがあるなど、まったく塗らなくても別の問題も出てきます。

ハワイでサンゴへの有害物質を含んだ日焼け止めが販売禁止になるというのは、世界初の法律になるということで、環境破壊を守る先駆けといえます。

今度は同じ法案が全世界の各地で広まっていくこともありそうですね。

サンゴ礁が減っていることは日焼け止めの問題だけではなく、地球温暖化や不法投棄されたゴミからの水質汚染といった環境破壊も大きな要因だとされているので、該当の日焼け止めを使わないようにしたところで「焼け石に水」なのかもしれません。

それでも、一人一人が意識してできることをやっていくと大きな世界を動かす原動力になっていきますから、日焼け止め製品を作る会社も変わらざるを得なくなるでしょう。

ハワイで販売禁止はまだ確実ではなく、施行されたとしても2021年からの話なのでまだまだ先ですが、これから日焼け止めを購入するときは成分も確認してみてくださいね。