東北ではホタテに貝毒が検出されています。
基準値以下になっても3週連続でOKとなるまで規制が続くので、時間がかかりそうです…。
ところでホタテにも貝毒が流行る時期があるのでしょうか。
ホタテも加熱しても意味がない?症状も気になります。
ホタテの貝毒の時期や症状、加熱で安全になるのか確認してみました!
ホタテの貝毒って何?流行る時期はあるの?
貝毒となるホタテは最初から毒を持っていたのではなく、貝の中で毒を作ってもいません。
問題となるのは貝が食べるプランクトンです。
有害なプランクトンが異常発生した海域では、そのプランクトンを食べた貝が「貝毒」を持つようになります。
ですので漁業関係者は海域のプランクトンや貝を定期的にチェックしていて、有害プランクトンの以上発生を確認すると貝毒の注意が必要となってきます。
ですのでアサリやハマグリ、マテ貝もホタテもみんな二枚貝でプランクトンを食べますから、1種だけでも貝毒であることが分かったらすべて食べることができなくなるんですね。
しかし人体に影響のあるほどの貝毒となってしまった貝でも、有害プランクトンが海にいなくなって問題のないプランクトンを食べるようになれば、貝の毒性もなくなります。
貝も徐々に有害な成分を体外に排出していくので体内になくなれば人にも無害な貝になります。
ということでホタテも貝毒になるわけですが、時期としては他の二枚貝と同じく3月から11月は有害プランクトンが発生する可能性がある期間だと言われています。
毎年、毎回発生するのではないので、何も問題のない年もあります。
ですが日本は海に囲まれていますので、毎年どこかの海域で発生はしているようですね。
特に2018年は貝毒が多く発生しています。
関東地方は今のところ何も起きていませんが、ゴールデンウィーク期間中は大阪や兵庫県、徳島県など関西方面で潮干狩りができなくなる事態がありました。
東北の釜石湾海域でも3月6日以降、5月下旬となる現在までも貝毒による出荷規制が続いています。
ホタテの貝毒でどんな症状が出る?
2018年5月の岩手県で検出されたホタテの貝毒は「麻痺性」の貝毒だと発表されています。
あさりやハマグリも同様ですが、ホタテの貝毒にも2種類があります。
●麻痺(まひ)性貝毒
●下痢性貝毒
どちらも大変なのですが、命の危険の可能性があるのは「麻痺性貝毒」です。
ですので岩手県で麻痺性貝毒のホタテが見つかったというのは結構心配ではあります。
麻痺性貝毒にかかると、フグの毒による症状に似ているといわれていて、食べてから30分以内に唇や舌、顔のしびれを感じるようになります。
その後はしびれが全身へと広がっていき首、腕、指先や足先まで進んでいきます。
頭痛や嘔吐、吐き気が主な症状で、呼吸に麻痺が生じると命に危険が及びます。
12時間を超えると命の危険はなくなっていき、徐々に体が回復します。
下痢性貝毒にかかると、麻痺性よりは症状がでるまで時間がかかり、30分から4時間の間に異変が起こり始めます。
消化器官に貝毒成分が入ってしまうことで、下痢や嘔吐、吐き気や頭痛が主な症状です。
麻痺性と似た症状ですが、貝毒の名前通り「体のしびれがあるかどうか、下痢になったかどうか」で判断がつくでしょう。
どちらの症状が出ても貝毒が疑われるならすぐに病院へ行って手当てしてもらいましょう。
とは言っても、麻痺性なら必要であれば救急車を呼んででもすぐに病院へ行った方が良いですが、下痢性貝毒が疑われる場合はトイレから出ることもできないくらい大変なことになっていると思います。
下痢性貝毒であれば、出しきれば回復していくということなので病院にすぐに行けなくても自宅で様子を見ても良いかもしれません。
あくまで下痢性貝毒です。麻痺があるなら病院へ行きましょう。
●麻痺性貝毒
・30分以内に舌や唇、顔面にしびれが出てくる
・しびれは全身に広がる
・頭痛や吐き気、嘔吐がある
→呼吸困難になる恐れも。すぐに病院へ!
●下痢性貝毒
・30分~4時間以内に下痢、嘔吐の症状が出てくる
・頭痛もある
・最大3日で回復してくる
なお、下痢や嘔吐が激しい時は水分が思っている以上に排出されていますので、飲みたくなくても少しずつ水分は補給してください。
一度にたくさん飲むよりも、一口ずつでも10分おきなどこまめに飲んだ方が体に吸収されやすいそうです。
水だけでは体の電解質のバランスが崩れて別の症状も併発しては困りますから、スポーツドリンクや経口補水液など、適度な塩分を含んだ飲み物があると良いです。
ホタテの貝毒は加熱で安全になる?
貝毒はどんなに加熱をしても毒は無くならないといわれています。
しかし、ホタテについては貝毒があったとしても被害が出ない食べ方もあるようです。
それは、ホタテ貝を開いたときに二枚貝のつけ根あたり「ウロ」と呼ばれる黒い部分のみにあるということで、この部分を取り除いて食べれば貝毒の症状は出ないのだとか。
確かにいつも食べるホタテは、ほとんどが貝柱ですね。
貝が食べたプランクトンは内臓にいるので、貝柱に影響は出ないそうです。
それでも貝毒が発生している海域ではすべてのホタテが自主規制していますので、貝柱だけでも出荷はされていません。
殻付きのホタテを購入したなら、念のため「ウロ」は食べずに取り除いた方がより安全ですね。
そもそもウロは美味しい部位でもないですし、貝毒以外にもカドミウムなどの重金属が溜まりやすいということなので、通常に調理する際も取ってしまった方が良さそうです。
ホタテも貝毒の時期がある?症状や加熱で安全になるのか知りたい!のまとめ
二枚貝であるホタテも貝毒は3月から11月頃までは発生しやすいので、殻付きで購入したら黒い部分のウロは取り除きましょう。
貝柱は貝毒による人体への影響はないということですが、生で食べるなら貝毒の心配が無くてもその他の食品と同じく食中毒の可能性はあるかもしれません。
食中毒であれば海水の細菌によるものなので、食べる前に真水でよく洗えば細菌も洗い流せます。
ホタテはウロを取り除いて食べられても、あさりやシジミ、ハマグリなどは丸ごと食べますから、より注意が必要ですね。
潮干狩りに行った際は注意喚起が出ているかどうかよく確認しておきましょう。
何も知らずに食べて命の危険はない「下痢性貝毒」だったとしても、貝毒による下痢や腹痛の痛さは軽いものでは済まされません。
体外に排出されるまで症状が続くということなので、病院で診てもらうことももちろんですが間違っても下痢止め、吐き気止めの薬は勝手に飲まないようにしてください。