黒澤明監督の映画「夢」は1990年に公開されたアメリカと共同で製作された作品です。
「夢」を無料動画で観る方法や、短編タイトルや感想も気になります。
こんな夢を見た、という文字から始まる短編8作品で、中でも「赤冨士」は原発を題材にしていて3.11以降話題になりました。
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Contents
映画「夢」黒澤明監督作品の短編タイトルとあらすじ
全部で8作品の短編集となっています。
黒澤監督がみた夢を元にして描かれた作品で毎回「こんな夢を見た」という書き出しから作品が始まります。
この表現の仕方は夏目漱石の「夢十夜(ゆめじゅうや)」の小説からきていて、こちらでも「こんな夢を見た。・・・」と10の夢の内容が語られています。
夏目漱石の夢十夜も2007年に「ユメ十夜」として映画化されています。
こんな夢を見た1「日照り雨」
黒澤と書かれた表札の家から、一人の男の子が出てきます。
晴れているのに雨が降っていて、母から「外へ行ってはいけないよ。晴れた雨の日には狐の嫁入りがあるから。彼らは見られたくないんだからね」
と言われますが、ふらりと林の中に入っていき狐の嫁入りを目撃してしまいます…。
こんな夢を見た2「桃畑」
ひな祭りのお祝いの日、弟は姉がひな人形の前で友達と遊んでいるときにお菓子をお盆にのせて運びます。そこでさっきまでいたはずの女の子が一人いないことに疑問を持ちお姉さんに聞きますが、最初からこの人数でみんないると言われてしまいます。
弟は不思議に思ってどこかに隠れているのではないかと探していると、玄関の外でその女の子がいるのを見つけます。
女の子の後をついていくとひな人形のような恰好をした人たちが大勢いて、「なぜ桃の木を切ってしまったのだ」と男の子を非難してくるのです。
しかし桃の木を切るのを止めようとしていた男の子は、桃を食べられなくなるのが嫌だったのではと聞かれたことに対して、
「桃なら八百屋で買える。でも桃の木がなくなったら桃の花が見られない」と泣きながら答えるのでした。
こんな夢を見た3「雪あらし」
雪山で吹雪に遭い遭難しかけている男たち。
大学生の自分と3人の男友達と一緒に山に入りましたがもう三日も吹雪が続いています。
吹雪がやむ様子もなく、仲間も諦めていて倒れこんだその時、雪女に遭遇してしまいます…。
こんな夢を見た4「トンネル」
戦争からただ一人生きて帰ってきた男は、戦死した部下の家族を訪れようとしていた時にトンネルの中から部下の亡霊に出会います。
野口というトンネルからやってくる男の役を演じたのは、「どですかでん」「赤ひげ」にも出演していた頭師佳孝さんでした。
こんな夢を見た5「鴉」
ゴッホの絵を見ていた男は、気が付いたら絵の中の世界に入っていました。
「カラスにいる麦畑」で耳に包帯を巻いて絵を描くゴッホに出会います。
ゴッホは、自画像を描いていて耳がうまく描けなかったから切り落としたのだ、と言いました。
こんな夢を見た6「赤冨士」
ゴォーという音と真っ赤な空、富士山の付近で複数の場所が爆発しています。
6基の原子力発電所が爆発したということで、多くの人が混乱の中逃げています。
最新の技術を使って目で分かるようにと、放射能には色が付けられていると居合わせたスーツの男が言います。赤色はプルトニウム239、黄色はストロンチウム90、紫色はセシウム137なのだと。
そして男の周りにも色々な放射能がやってきて、息を止めて振り払おうとします…。
こんな夢を見た7「鬼哭」
荒れ果てた場所を歩いていると、ぼろぼろの身なりをした鬼に出くわします。
鬼を演じたのはいかりや長介さん。
鬼メイクというかゾンビメイクというかが凄いのですが、話し始めの声を聞くとすぐに分かります。
放射能が蔓延した後の様子で人間はいなくて、残っているのは元人間だったという鬼と異常な大きさの花。
夕方になると生えてきた角が腫れ物のように痛みだすのだと鬼は言います…。
こんな夢を見た8「水車のある村」
ゆっくりと流れる川に水車がたくさんある村にいます。
花を摘んで大きな石の上に置いていく子供たちに壊れた水車を直しているおじいさん。
おじいさんに話を聞くと、ここでは文明の機器には頼らずに電気も使わず燃料も薪や馬の糞を使っているのだといいます。
そして、「本来葬式はおめでたい事。よく生きて、よく働いて、ごくろうさんと言われて死ぬのはめでたい」のだと話します。
今日のお葬式では99歳の初恋だったおばあさん。おじいさんは自分は103歳だと言って、鮮やかな服をまとい華やかなお葬式の列に加わります。
映画「夢」(黒澤監督)8話の「水車のある村」のロケ地
日本離れした木でできたたくさんの水車がある場所は、長野県安曇野(あずみの)にある大王わさび農場水車小屋です。
観光地化していて海外からも訪れる人が多いのだそうです。
長野道の安曇野インター(旧・豊科インター)から約10分で行ける場所にあります。
作品内では文明の機器に頼らない村でしたが、やはり高速を降りて車ですぐに行けるという好立地はありがたい限りですね…。
大王わさび農場の基本情報
入場無料
営業時間 9:00~17:20(3月~10月)9:00~16:30(11月~2月)
年中無休
住所 〒399-8303 長野県安曇野市穂高3640
TEL 0263-82-2118
ペットはリードをつけていれば入場可能
駐車場 大型25台、普通車350台
黒澤監督の映画「夢」の作品情報
監督 黒澤明
脚本 黒澤明
製作 黒澤久雄、井上芳男
主演 寺尾聰、倍賞美津子
映画公開日 1990年5月25日(平成2年)
上映時間 119分カラー
黒澤監督の映画「夢」のキャスト・俳優
第1話「日照り雨」
5才位の少年 中野聡彦
母 倍賞美津子
狐の嫁入り 舞踊集団菊の会
第2話「桃畑」
少年 伊崎充則
桃の精 建みさと
姉 鈴木美恵
雛人形達 二十騎の会
第3話「雪あらし」
男(私) 寺尾聰
雪女 原田美枝子
パーティの仲間 油井昌由樹、中嶋しゅう、木村栄
第4話「トンネル」
男(私) 寺尾聰
野口一等兵 頭師佳孝
少尉 山下哲生
第三小隊 二十騎の会
第5話「鴉」
男(私) 寺尾聰
ゴッホ マーティン・スコセッシ
洗濯していた女 カトリーヌ・カドゥ
第6話「赤冨士」
男(私) 寺尾聰
スーツの男 井川比佐志
子供といる母親 根岸季衣
第7話「鬼哭」
男(私) 寺尾聰
鬼 いかりや長介
鬼達 二十騎の会
第8話「水車のある村」
男(私) 寺尾聰
老人 笠智衆
村の踊る娘たち 舞踊集団菊の会
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「一番美しく」
「續姿三四郎」
「虎の尾を踏む男達」
「わが青春に悔いなし」
「素晴らしき日曜日」
「酔いどれ天使」
「静かなる決闘」
「野良犬」
「醜聞」
「羅生門」
「白痴」
「生きる」
「七人の侍」
「生きものの記録」
「蜘蛛巣城」
「どん底」
「隠し砦の三悪人」
「悪い奴ほどよく眠る」
「用心棒」
「椿三十郎」
「天国と地獄」
「赤ひげ」
「どですかでん」
「影武者」
「乱」
「夢」
「八月の狂詩曲」
「まあだだよ」
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黒澤監督の映画「夢」を観た人の感想は?
どれも映像が美しいです。
雛人形が出てくるのと、トンネルの兵士の話が印象に残っています。
幼き頃の原風景、戦争体験、原発、そして未来
生々しく個々の作品が確立しているオムニバス集ではあるが、通して観ると黒澤明が訴えるものが浮かび上がってくる。
幼少期と戦争とゴッホと原発。リアル。トラウマになりそうなシーンが多い。狐の嫁入りが好きかな〜〜
水車のある村
大袈裟じゃなく人生観揺さぶられ泣きそうだ
ずっと重たかった空気を一気に晴らしてくれる最高のカタルシス
素晴らしすぎる
ショートストーリーの連続かと思いきや一貫したテーマがあるような気がして、鬼のクライマックスまで批判的だなあと思いつつも、最後に希望を残しておくところが感動した。
世界の黒澤と言われる所以が分かった。
黒澤監督の作品にある 日本人であることの情緒感は、太宰を読んでる時に感じるものと重なった気がする。
潔いくらいに、日本人です!と主張することなく、しかし この映画の魅力は日本人にしか伝わらないんだろうなと なるほど、確かに、世界の黒澤
夢(黒澤明監督)映画を無料動画で観るには!短編タイトルやあらすじ感想も!のまとめ
やはり「赤冨士」の放射能の話を観ると3.11のことを思わずにはいられません…。
「原発は安全だ。危険なのは操作のミスで原発そのものに危険はない。絶対にミスは犯さないから問題は無い。ってぬかした奴らが許せない!あいつら、みんな縛り首にしなくちゃ」
「大丈夫。それは放射能がちゃんとやってくれますよ」
という言葉が忘れられません。
夢ということでオチもなく、不思議な世界観に包まれます。
絶望的な「赤冨士」や「鬼哭」のあとの、最後の水車の村では風景や葬式という名のお祭り、終始聞こえてくる水の流れの音に癒されました。
ぜひ黒澤監督のカラー映画「夢」を自宅やスマホで最後まで楽しんでください!