IBプログラムを受けている子供の学校生活と家庭学習(我が子の例)

実際にインターナショナルスクールのIB認定校と日本の公立小学校に我が子を通わせている事によって分かる、日本式教育とIB教育の違いを実際の授業スタイルや、宿題の内容などをご紹介しながら説明します。

インターナショナルスクールと公立小学校の在籍

我が家の子供は日本人を両親に持つ日本人の子供です。現在はIBプログラムを持つインターナショナルスクールの小学部(PYP)に通っています。

同時に、日本の公立小学校にも在籍しているので学校が休みの間(6月~7月末の夏休み期間など)に公立小学校にも通っています。

公立小学校への在籍は、地域性や各学校の校長判断などにより可能になりますので、在籍を希望する方は学校に直接問い合わせをする必要があります。

私が住んでいる地域では、海外在住で海外の学校に通いながら日本帰国中に日本の公立小学校に通っている子供もいます。

反対に、インターナショナルスクールに通っているなら公立小学校には在籍させられない、と断られた方もいらっしゃいます。

なので、地域や学校がどれだけ国際社会に対して理解があるのか?または学校側が在校生徒数を増やしたいなどの意図があるか?などの理由により受け入れ可能かどうかが決まるのではないかと思っています。

IBプログラム認定校と日本の学校との違い

では、IBプログラムと日本の学校では何がちがうのでしょうか?

実際に両方の学校を経験して分かったことがいくつかあります。

クラスの人数

公立小学校ではクラスの人数が40人以下(1年生は35人)と定められています。

実際に息子が通う公立小学校は37人で、授業参観は1学期中に2回です。

私が感じた点では、先生と生徒の関係性が「個」対「クラス」であることが多いように感じます。従って、先生方が子供たちをしっかり統率できている感じが伝わってきます。

IBプログラムではクラスの人数が25人以下と決められています。

子供が通う学校はそれを下回る20人までと決められているので、先生と個々の生徒が接する機会が大変多いのが特徴です。

授業参観も毎月1~2回ほど実施され、その他に子供たちによる発表や展示会などで親は毎月何度も学校に足を運びます。

授業スタイル

公立小学校によくある形、いわゆる先生が前に立って生徒たちに指導する。また、グループ指導(班ごとの指導)でも基本的にはすべての班に同じ課題を出し、班ごとに答えを出す、という事が多いように感じられます。

IBプログラムでは、もちろん席に座って勉強をすることはありますが、授業中に調べ物をしたり、先生に質問に行ったり等、ずっと席にいる事はありません。

また、考える事がとても大切なため、国語の授業などでは長い物語を耳で聞いて(本を持っているのは先生だけで、生徒は聞いているだけ)それについてクラスで討論したりします。

グループ(班)の活動では、それぞれのグループが研究したいテーマを自分たちで決めて取り組む事も多く、同じ授業時間内にパソコンをしている生徒、段ボールに色を塗っている生徒、写真の画像にナレーションを吹き込んでいる生徒、などパッと見では「このクラスはいったい何の授業をしているのだろうか?」と分からない事が多くあります。

先生は全体を見渡して、アドバイスをし、質問があれば答えます。

息子が学習しているIBプログラムでは、「個々の能力を発揮するために様々な方法でその生徒を評価する」という考え方があります。

例えば、テストを受ける、発表をする、創作活動をする、調べ物をする、リーダーシップを発揮する、などそれぞれの項目対して評価を行うことにより、生徒により得意、不得意を把握し、得意なものを伸ばし、全体で評価を付けるという考え方です。

これは日本の小学校にはない評価方法ではないででしょうか。








宿題

日本の小学校で出される宿題の多くは、漢字の書き取り、計算ドリル、本読みなどが基本になるのではないでしょうか。

IBプログラムを持つ我が家の子供の学校では、もちろん書き取りなどの宿題もでますが、週単位での宿題も出される場合があります。

週単位とは、一つの課題を月曜日に出されて、金曜日までにこなすといった物です。

内容が多いものは翌週が提出日だったりもします。

もちろん、日本の小学校のように算数や書き取りの宿題も出ますが、多くの宿題は考える事に重点が置かれています。

例えば、「地震について自分で調べ、絵と文章で説明する」という宿題では、地震の何を調べるのかが生徒によって異なってきます。

ある生徒は構造について調べ、ある生徒はマグニチュードと震度の関係性について調べ、ある生徒は地震と津波の関係について調べたりします。

また、調べる方法についても、親に聞く、本を参考にする、インターネット検索する、博物館に行く、実際に断層を見に行く、など多岐にわたります。

もちろん、どれだけ親が関与するかにもよりますので、親からすればちょっとしたプレッシャーです。

ここで注目したいのが、すべての宿題において「不正解がない」という点です。内容もそうですが、どのように調べて、どのように発表できたか?も評価対象になります。

日本人の我が家の国語

そして、日本人であるからこそしっかりと学んでおきたい国語はについては、IBプログラムにおいては第二外国語として学んでおり、それは必修となっています。しかしながら、週に数時間程度の国語の授業では到底追い付けないため、普段の宿題の他に市町村から無料給付されている教科書以外にもプリント、ドリル、テストなどを学校から購入し1日30分をめどに勉強をしています。基本的には漢字の書き取りや教科書の音読をし、公立小学校でテストを受ける時期と同じタイミングで同じテストを家で行っています。

まとめ IBプログラムを受けさせるという事

今後、日本ではIBプログラム認定校を増やしていく予定で、2020年までに200校を目標としています。

授業内容はこれまでの日本式教育方法とは大きく異なる点から、低学年の時ほど調べもの等による親のサポートが必要になります。

従って、お子さんをIB認定校に入れたい!と思ったら親として「子どの勉強を100%サポートする」というくらいの心構えを持つことをお勧めします。