「悪い奴ほどよく眠る」は黒澤明監督の作品で1960年のモノクロ映画です。
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「悪い奴ほどよく眠る」は時代劇から一変、財政界での男の復讐を描いたサスペンス劇場です。
あらすじや感想もご紹介します！
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Contents
映画「悪い奴ほどよく眠る」黒澤明監督作品のあらすじ
公団の課長補佐の古谷という男が、5年前に飛び降り自殺をするという事件がありました。
ただの自殺ではなく土地開発公団の中で汚職があり、汚いことをする人たちの中で古谷は消されてしまったのでした。
父を殺されてしまったことで復讐しようと心に誓うのは三船敏郎演じる西幸一。
復讐のために本物の「西幸一」と戸籍を交換して素性を隠し、森雅之演じる公団副総裁の岩淵の娘、佳子と入籍したのでした。
汚職をする悪い権力者たちに知られぬまま着々と復讐を進めていく西幸一でしたが、お葬式の中で悲しそうに見つめる姿の写真から、古谷の息子の板倉であることがばれてしまいます。
復讐を誓いながらも、作戦のために結婚した宿敵の娘、佳子のことを愛しはじめてしまっていた西幸一。
映画「悪い奴ほどよく眠る」1960年作品情報
監督 黒澤明
脚本 黒澤明、小国英雄、久板栄二郎、菊島隆三、橋本忍
製作 黒澤明、田中友幸
主演 三船敏郎
映画公開日 1960年9月15日（昭和35年）
上映時間 150分モノクロ
今までの黒澤監督作品は東宝での制作でした。本作からは東宝から独立して黒澤プロとなった初作品です。
本作ではまだ東宝も関わっていて共同作品とはなっています。
制作費には8,254万円かかり、配給収入は5,228万円となっています。3,000万円の赤字となってしまったのでしょうか。
黒澤プロとなって興行上だけの成功を狙わずに撮りたい作品を作ったということで、そういった数字の結果にはこだわりがなかったのかもしれません。
「悪い奴ほどよく眠る」には若かりし頃の田中邦衛さんがちょい役で！
課長の白井を帰宅路で暗殺しようと待ち受ける殺し屋。
「おめぇ白井か。白井で間違いねぇな。」
と言って銃を向けたその時、通りかかった車のライトが二人を照らします。
その時の顔を見てびっくり！
若いころの田中邦衛さん！！
田中邦衛さんは1932年生まれですので、公開当時で28歳だったということですね。
知らずに見ていましたが、短いセリフも何だか棒読みのように聞こえてしまって顔が見える前からやけに気になったのです。
本当に1シーンでしか出てこないのに、この頃から存在感たっぷりですね。
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映画「悪い奴ほどよく眠る」のキャスト・俳優
西幸一役 三船敏郎
岩淵（日本未利用土地開発公団副総裁）役 森雅之
岩淵佳子役 香川京子
岩淵辰夫役 三橋達也
守山（公団管理部長）役 志村喬
白井（公団契約課長）役 西村晃
板倉役 加藤武
和田（公団契約課課長補佐）役 藤原釜足
野中（検事）役 笠智衆
岡倉（検事）役 宮口精二
新聞記者役 三井弘次
有村（公団総裁）役 三津田健
大竜建設顧問弁護士役 中村伸郎
刑事役 藤田進
堀内（地検検事）役 南原宏治
三浦（大竜建設経理担当重役）役 清水元
新聞記者役 田島義文
波多野（大竜建設社長）役 松本染升
事務官役 土屋嘉男
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「續姿三四郎」
「虎の尾を踏む男達」
「わが青春に悔いなし」
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「静かなる決闘」
「野良犬」
「醜聞」
「羅生門」
「白痴」
「生きる」
「七人の侍」
「生きものの記録」
「蜘蛛巣城」
「どん底」
「隠し砦の三悪人」
「悪い奴ほどよく眠る」
「用心棒」
「椿三十郎」
「天国と地獄」
「赤ひげ」
「どですかでん」
「影武者」
「乱」
「夢」
「八月の狂詩曲」
「まあだだよ」
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映画「悪い奴ほどよく眠る」黒澤明監督映画を見た人の感想は？
面白かった！そして胸糞悪い！いい！
財界の汚職事件を暴こうとする男の物語。
主人公・西の様々な策略で公団の役員を追い詰めていく前半、少しずつ計画がほつれ始め役員からの反撃を受ける後半、特に後半はハラハラだった。そしてこのラスト。いやはや。
こういう話今でもあるあるだよなあ〜。憎たらしいが、良い。
名前からしてすごくかっこいい。粋だ。
いわゆる汚職ものであり、僕にしたら初めての時代劇でない黒澤明&三船映画。
侍さんのかっこしていない三船もかっこいいなーまったく。
前半部はさして面白くないように感じたがみ終えるとどこも重要で重厚。
ほんまの悪いやつ、さらなる上の悪いやつは声さえでてこない。
三船の命を賭しての闘いは末端に過ぎなかった。
終のでるタイミングが良すぎて後味がなんとも。
正直冒頭はダレるところも否めないが、西が和田に自らの偽装された葬式を見せるあたりからぐいぐい引き込まれる。このシーンの、バー・ノアルの音楽と口笛に西の狂気のほとばしりを感じる。
7階部分にバラの刺さったケーキとか、白井が自宅近くに送られてから死んだはずの和田を見つけるまでとか強烈なインパクトのあるシーンも多い。
結末がアレで、黒澤監督はハッピーエンドにするのではないかという先入観をいい意味で裏切られた。でもこれがベストチョイスだったと思う。
「お休みなさいませ」苦い。
ビックネームがずらり！
森雅之がすごすぎてたまげる！
現実にありそう、かも？と思えるリアリティに本当にいそうなキャスト。
すごい〜
三船敏郎が色気の塊。
眼鏡と香川京子を支える姿にときめきすぎて胸が痛い。
黒澤映画は映像表現が素晴らしい。
志村喬が未亡人から私生児がいることを知るシーンで、志村の背後から撮影し顔を全部見せない演出は、志村喬が一連の事件の真相を知った時の複雑な心境を役者個人の演技ではなく、枠内の映像全体を通して伝える。
悪い奴ほどよく眠る(黒澤明監督映画)の動画を無料で観るには！あらすじ感想も！のまとめ
最後の副総裁の電話で、寝ていなくて昼夜逆転していたと言い訳しつつも、「失礼します」というところで「お休みなさい」と言ってしまい、そのあとに「悪い奴ほどよく眠る」のタイトルが全面に出てくるタイミングが秀逸です。
また、最初の結婚式と最後の副総裁に集まる新聞記者たちの中には、アタック25の児玉清さんが出演されています。
何人もいる記者の中の一人なので「この人」と確信は持てないのですが、長身のハンサムな人が児玉清さんだそうなので、見つけてみてくださいね。
ぜひ、最後まで映画「悪い奴ほどよく眠る」を楽しんでください！
