生きものの記録(映画)黒澤明監督作品を無料動画でフル視聴する方法!

映画「生きものの記録」は1955年に公開された黒澤明監督の作品です。動画を無料視聴できる方法をご紹介します。

主演は当時35歳の三船敏郎さん。見事に70歳の老人役を務めあげています。

「生きものの記録」は原水爆に対する強い危機感をもちブラジルに移住しようとする老人と、それはやり過ぎだと止める家族たちとのやり取りです。

心に残る作品です。

 

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(2018年9月調べ)

 

「生きものの記録」原水爆をテーマにした社会派ドラマのあらすじ!

 

都内に鋳物工場を経営しかなりの財産を持つ中島喜一は、妻とよとの間に、よし、一郎、二郎、すえの二男二女がある、ほか二人の妾とその子供、それにもう一人の妾腹の子の月々の面倒までみている。

その喜一は原水爆弾とその放射能に対して被害妾想に陥り、地球上で安全な土地はもはや南米しかないとして近親者全員のブラジル移住を計画、全財産を抛ってもそれを断行しようとしていた…。

 

原水爆に危機感を持っているのは主役の本人だけであり、家族や子供は誰も言うことを聞かず、それどころか財産を持っていかれないように準禁治産者に仕立て上げようとします。

準禁治産者(じゅんきんちさんしゃ)とは、正常な判断を欠き見境なく財産を浪費してしまう人や心神喪失まではいかなくても精神障害のある人のことを言います。

 

工場を持ち資産があるために子供たちがここを離れられないのだと思い詰めてしまった中島喜一は、自分の財産の工場に火をつけます。

結局本当に心神喪失になってしまったことから精神科の第三病棟に入れられてしまいます。

 

そこを訪れる原田は、自分たちの出した裁判での判断が間違っていたのではないかと思い悩みます。

「狂っているのはあの患者なのか、この時世に正気でいられる我々がおかしいのか…。」精神科病棟の先生の言葉にこの映画の真髄が込められているのかもしれません。

 

 

「生きものの記録」を観た人の感想

●見る前は三船が科学者が何かの役なのかなどと安直な想像をしていましたが、そこはさすが。志村喬演じる家庭裁判所の調停委員(今の裁判員みたいなものなのでしょうか)を置くことで第三者のフラットな視点から問題を見ることができます。当時35歳の三船が演じた70の老人が徐々に狂っていく様がおぞましい。しかしラストシーンで我々は「おかしいのは自分たちなのでは?」と思わざるを得ない作りになっている。これは志村のキャラがなければ成り立たなかったでしょう。見た後に観客がしばらくこの映画のこと、ひいては水爆及び放射能の問題について考えさせるためにあのような印象的なラストシーンにしたのでしょう。興行面では失敗してしまったそうですが、見た人の中には必ずや残り続ける作品であると思います。3.11以前に見ていた人たちが羨ましい!

●物語後半から僕はもうずっと涙ぐんで映画を観ていた。主人公が本当に憐れで堪らなかった。
喜一は偏屈で、身勝手で、強権的な男だ。
だが愚直なまでに家族想いな彼が衰弱してゆく姿は見るに耐えなかった。
暑さに喘ぐ家族に、いつの間にやら買ってきたジュースを配る姿。
雷鳴を爆撃と勘違いし、とっさに赤ん坊に覆い被さる姿。
プライドもかなぐり捨てて家族に頭を下げる姿。
この老人は死にもの狂いで家族を守ろうとしただけだ。
けれど行動があまりに極端で、真っ直ぐ過ぎた。

●黒澤映画の中で、この作品を失敗作にあげる人は多いと思う。私も、最初に観たときは、一連の黒澤映画の中では失敗の部類と思ったひとりである。
ところが、この作品のあとより、まったく同じテーマをもとにした映画を製作した監督が出てきた。その代表例が、ベルイマンの「冬の光」とタルコフスキーの遺作「サクリファイス」だ。その二作を観たあとにもう一度、「生きものの記録」を観ると、原爆に怯える主人公の狂気が狂気に見えず、自分と同じ感性の者に見えてきて、はじめてこの作品の良さを発見した次第である。

●当時35歳の三船が70歳の老人を演じ、途中ホントに三船なの?と
思わせるシーンもあり、作品のテーマとも混ざってか狂気を感じさせるほどです。
当時開発されたばかりの水爆の脅威に対する漠然とした不安。
ただ自分とその家族が助かりたいために右往左往し、結局、逃げる場所などドコにもないと気づく主人公。
逃げた場所は、自分が地球を脱出して別の惑星に来たという妄想の中だった・・・。
逃亡の先には破局しかなく、現実と対峙するしかないと教えてくれています。

●「生きものの記録」とはどのようなことを意味しているのだろう。所詮、水爆なんてのも人間が犯した罪の一つに過ぎず、その一つを今回黒澤が取り上げたに過ぎない、そんなイメージを私は感じた。
素晴らしい作品だった。

●黒澤映画のなかではもっとも一般的ではない作品。しかし無視してはならない巨匠の一作だ。特に現代社会に生きる我々は。
本作は原水爆ひいては核の恐怖をひとりの老人とその家族に仮託して描いている。その結果黒澤がよく持ち出す家族への不信なども表出して公開時には核反対のメッセージが届きにくいと批判されたようだ。老人を演じて名演をみせる三船敏郎もこの老人の考えがさっぱり分からないと云ったらしい。しかし3.11のあとの福島原発を抱える我々がみればこの老人の恐怖が分かる。人間が動物として持っているだろう本能的な恐怖。極めて予言的だ。老人の家族も今の視点でみれば毎日の生活に追われて福島を忘れたふりをしている現在の日本人のようだ。
当時の黒澤映画らしく技術的には申し分がないし、三船、志村喬ら黒澤組の演技陣の名演も必見。東野英治郎演じるブラジル帰りの老人のメイクはやり過ぎかな。

●戦後なのに原水爆から逃れるため全てを捨ててブラジルへ行こうとする主人公と、
それを止めようとする家族を描いた物語。

天変地災で世界がなくなることと、兵器で世界がなくなることは違う。
と主人公は考えていて、しかし家族はそこに差がないと考えている。

原爆が落ちる確率はほとんどないという状況設定であり、
確率論の問題ではなくて思想としてどう捉えるかの話なので、
合理性が置いてけぼりになっており、話としては強引に感じた。

●自分にとって傑作でした。
放射能を楽観視しようとする人の理屈に、主人公や歯科医のセリフでもって一つ一つ反論しつつも、
だからといって主人公が絶対正しいと結論づけるわけでもなく、主人公の考えの問題点も指摘していく誠実な展開に、非常に好感をもちました。

 

「生きものの記録」映画作品情報

監督 黒澤明
製作 本木荘二郎
脚本 橋本忍、小国英雄、黒澤明
撮影 中井朝一
監督助手 丸林久信
編集 小畑長蔵
製作担当者 根津博
主演 三船敏郎、志村喬
映画公開日 1955年11月22日(昭和30年)
上映時間 103分モノクロ

 

なんといっても、主演の三船敏郎さんは撮影当時35歳!

実年齢の2倍の70歳の老人を違和感なく演じました。

年齢的にも近くて、黒澤明監督作品の常連の志村喬さんが主演の中島喜一を演じる予定でしたが、「生活力が旺盛で動物的生命力の強い男」という主役の老人のイメージには三船敏郎さんが合うということでキャスティングされました。

 

「生きものの記録」キャスト・俳優

中島喜一(老人) 三船敏郎
原田(歯科医の調停委員) 志村喬
原田進(原田の息子) 加藤和夫
原田澄子(原田進の妻) 大久保豊子
中島二郎(喜一の次男) 千秋実
中島とよ(喜一の妻) 三好栄子
中島すえ(喜一の次女) 青山京子
山崎よし(喜一の長女) 東郷晴子
山崎隆雄(よしの夫) 清水将夫
中島一郎(長男) 佐田豊
中島君江(一郎の妻) 千石規子
栗林朝子(喜一の四妾) 根岸明美
朝子の父 上田吉二郎
須山良一(二妾の三男) 太刀川洋一
ブラジルの老人 東野英治郎
岡本 藤原釜足
荒木(判事) 三津田健
石田 渡辺篤
里子(喜一の三妾) 水の也清美
妙子(三妾の三女) 米村佐保子
鋳造所職長 清水元
堀(弁護士) 小川虎之助
精神科医 中村伸郎
地主 左卜全
鋳造所職員 土屋嘉男
留置人A 谷晃
工員の父 高堂國典
工員の母 本間文子
田宮書記 宮田芳子

 

「生きものの記録」主演・三船敏郎のプロフィール

本名 同じ
1920年4月1日生まれ~1997年12月24日(77歳)
身長 170㎝
出生地 膠州湾租借地(現在の中国山東省青島市)
配偶者 吉峰幸子
長男 三船史郎
次男 三船武志
孫 三船力也
非摘出子 三船美佳

生まれは中国ですが国籍は日本人で、昭和22年にデビュー。
酔いどれ天使はデビュー翌年の出演となり、黒澤明監督の映画には15本もの作品に主演で登場しました。

黒澤監督が世界的に有名になると同時に、三船敏郎さんも国際的スターとなり、「世界のミフネ」などと呼ばれて世界中の映画関係者に影響を与えました。
志村喬さんとは合計51本の映画で共演していて、志村夫妻のことを実の親のように慕っていました。

 

生きものの記録(映画)黒澤明監督作品を無料動画でフル視聴する方法!のまとめ

「死ぬのはやむを得ん、だが殺されるのは嫌だ!」という一言にハッとする裁判の調停委員の原田(志村喬さん)の表情が印象的です。

この映画が公開されたのは半世紀以上前の1955年。

現代でも放射能の被害が起きていることを思うと、危険なものを作ってそれに頼る人間というのは変わってないんだなと思ってしまいますね。

主演の三船敏郎さんの演技も素晴らしく、70歳の老人にしか見えないところも必見です!